【実例!】自信過剰に気をつけろ~短期予測の罠~
今回は、慎重を自負する投資家にあるまじき、手痛い失敗を紹介します。
教訓は以下3点です。
・短期の誘惑に負けない
・周囲の空気に流されない
・レバレッジ型商品にご注意を
まずは悲惨な結果から・・・
買った商品は、「Direxion デイリー 20年超米国債 ベア3倍 ETF」
簡単に言えば、米国20年国債が値下がりすれば、価格が上がるという商品です。しかも動きを3倍にするという、値動きの激しいハイリスク商品です。
わずか3か月で149.58ドルの損失(約マイナス22%・・・)。
慎重投資家にあるまじき行動です。
では、何がいけなかったのでしょうか。
目次
失敗1:「手っ取り早く儲ける」誘惑に負けた
②の通り、ETFを3月に買いました。当時米国債の長期金利は右肩上がり。
金利が上がれば国債価格は下落します。
加えて、米国経済も回復を見せ、金利のさらなる上昇を疑いませんでした。
私も長期で保有するつもりはなく「2~3か月で、金利が2%ぐらいになったら売って、サクッと儲けよう」というスケベ根性を出してしまいました。当時の10年債利回りは1.7%程度。
しかし結果、そこから金利は右肩下がり。現在はなんと1.3%前後まで低下しています。
それまでに損切できたことは、不幸中の幸いでしたが。
失敗2:(身勝手な)自身から確信へ
私は英語の勉強もかねて、CNBC(https://www.cnbc.com/world/)の記事・動画をよく見るのですが、当時の話題はどこを向いてもインフレのオンパレード。
インフレは金利上昇の要因となるため、多くの専門家が程度の差はあれ金利の上昇について語っていました。
インフレがバズワードとして私の心に刷り込まれ、金利は上昇するとの根拠もない確信をもってしまいました。大して自分で調べもせずに・・・
失敗3:レバレッジ商品恐ろしや
(身勝手な)予想に反して金利が低下したことに加え、商品がレバレッジ型であったことが損失に拍車をかけました。
先ほど述べた通りこのETF値動きが3倍に増幅されるため、通常金利が下落した際の値下がりも3倍になります。その結果がわずか3か月での22%の損失です。
レバレッジ商品は慎重投資家の正反対を行くものです。いつか別の記事でも触れたいと思います。
結論
市場の動きを予測することは不可能です。
また、何度も同じ情報に触れることで、また識者の意見を聞くことで、素人の何の根拠もない予測が勝手な確信に変わります。
よく言われる自信過剰バイアス(over confidence bias)というやつに私は引っかかってしまいました。
慎重な投資家は、短期的な市場予測はやめて、地道に資産や配当を積み上げるのがよさそうです。