【箱の中には何がある?】セクターETFの注意点
ETFブームのおかげで、「情報技術」「再生可能エネルギー」など特定分野へ絞った投資も簡単になりました。
少額で分散投資が可能で便利な反面、よく中身を見ないと・・・
「思わぬところに投資している」「思った企業に投資できていない」といったミスマッチが生じます。
以下、セクターETFを利用する際の注意点を検討していきます。
目次
ハイテク≠情報技術~一括りの罠~
ニュースを見ていると、GAFAMのようなハイテク株=情報技術セクターのような印象を受けます。
しかし、実際はハイテク=情報技術ではありません。
バンガード・米国情報技術セクターETFを例に見てみます。
ETFの説明は以下の通り
・米国の情報技術セクターの大型株、中型株、小型株に投資
・テクノロジー・ソフトウェアサービス、テクノロジー・ハードウェア機器、半導体及び製造機器の企業で構成
説明だけ見るとグーグルやフェイスブック(現在はメタ)は入ってきそうです。
実際の構成銘柄(上位10銘柄。9月末時点)は以下の通り。
「情報技術」といっても、グーグルやフェイスブックは組み入れられていません。
一方、上位には入りませんがHPやDellなどの旧型テクノロジー企業が入ってたりします。
ETFのタイトルに捉われず、
自分が投資したい(したくない)企業が入ってるか、割合はどの程度かを確認する必要があります。
グーグルやフェイスブックはどこに?
グーグルやフェイスブックが入るのは「通信サービス」です。
バンガード・米国通信サービス・セクターETFを見てみましょう。
ETFの説明は
・米国の電気通信・サービス・セクターの大型株、中型株、小型株に投資
・固定回線、携帯無線、ワイヤレス、広帯域通信等のネットワークを通じて通信サービスを提供する企業で構成
ETFの概要とグーグル(親会社はアルファベット)はマッチしていないように感じます。
実際の構成銘柄(上位10銘柄。9月末時点)は以下の通り。
時価総額が大きいグーグルとフェイスブックだけで約40%を占めます。
一方で、AT&Tやコムキャスト等のオールドエコノミー銘柄も多く組み込まれています。
個人的には、「通信サービス」と聞くと、NTTやテレビ局のような、オールドエコノミーを連想します。
しかし、実際にはスナップ・ツイッター・ピンタレストといった新興のSNS企業も入っています。
また、Zoomもこのカテゴリに入っています。
まとめ
ETFや分類の説明から受ける印象は人それぞれだとは思いますが、しっくりこないものも多々あります。
例えば小売り業では、「ウォルマート=生活必需品」「ダラー・ゼネラル=一般消費財」と分類されており、
個人的に違和感を感じます。
日本で言えば、スーパーと百均ストアが全くの別分類にされているイメージです。
ちなみにアマゾンは一般消費財であり、百均と同じカテゴリに・・・
企業活動の多様化により、企業を一つのセクターに分類するのは難しくなっています。
また成長企業の多くはIT/情報技術を基盤としており、「すべて情報技術なのでは?」と思えてしまいます。
自分のイメージとETF中身がちゃんとあってるか吟味が必要です。
(参考:楽天証券ETF購入画面より)