【投資先の価値】Time is money~時は金なり~
投資先を決める時、何を基準に判断すればよいのでしょう。
私のような素人にとっても頭の痛い問題です。
メディアの影響もあり、ついついホットなトピックや急成長のストーリーに目を奪われがちです。
もちろん成長は投資先を決めるにあたり重要な要因です。
しかし、判断基準として「成長」が重要視され過ぎていると感じます。
成長と同じく、投資先が長期間存続することも重要な要素です。
以下、投資先の価値を図る公式を用いて検討します。
目次
配当割引モデル
現在の株価を将来受け取る配当の現在価値の合計で図ろうという公式です。
無配の企業であれば、配当の代わりにフリーキャッシュフロー(FCF)を使用してもよいでしょう。
V0が大きくなる(つまり株価が上がる)には・・・
①分子が大きい=D1(もしくはFCF)が大きい=収益性が高い
②分母が小さい=Gが大きい=成長性が高い
という条件が必要となります。
メディアの影響もあり、目先の収益性や成長ストーリーに目が奪われがちです。
しかし、より重要なのは時間と持続性です。
忘れがちな要素1ー時間
配当割引モデルのもとは、割引キャッシュフローモデルという公式です。
現在の資産価格は「将来生み出すキャッシュフロー(CF)」の現在価値の合計となり、
以下の公式で表すことができます。
企業が長く存続し、収益が安定しているほど、将来受け取れるフリーキャッシュフローは大きくなります。
よって、存続する見込みが高く、安定した企業の価値が高くなります。
逆に、一時的なブームにのっかり急成長を遂げても、持続性がなければ価値は小さくなります。
特に急成長企業に投資する場合、目先の成長率だけでなく、どの程度持続可能かを考慮する必要があります。
忘れがちな要素2ー安定性
配当割引モデルは、「安定した配当」と「一定の成長率」を前提としています。
一定の成長率を維持するには、それが高成長市場でないことが必要です。
なぜなら、成長性の高い市場は多くの企業をひきつけ、すぐに競争過多になってしまうからです。
競争の激化は、開発費や宣伝費の増加、価格競争をもたらし、成長率は鈍化。
一定の成長率という割引配当モデルの前提が崩れます。
企業が安定した成長率を維持するには以下2点が重要です。
①多くの競合を生まない、ほどほど成長の市場であること
②現在の市場で有利なポジションにあること
確立されたブランドを持つ生活必需品企業などが該当します。
まとめ
投資では、急成長のストーリーに魅了され、目先の株価が上昇している企業に目が奪われてしまいがちです。
しかし、投資先の価値は将来受け取れる価値(配当やFCF等)の合計です。
長い目で見れば、より長く・安定して存続する企業こそが魅力的な投資対象となります。
そういう意味では、現在のESG投資ブームも説得力はあります。
経営が安定し長期間存続する企業に投資すれば、一時的に株価が下がっても、
長期に渡って受け取る配当でカバーできる可能性が高くなります。
具体的にどのような企業が当てはまるか、別記事で検討したいと思います。