【分散投資】海外投資をする意味は?-②
以前に海外投資のメリットとして、「日本への集中投資を防ぐ」分散の観点から検討しました。
【資産を分散】海外投資をする意味は?
日本は海外への投資をするのに、とても優れた環境です。
日本人だからこそ得られるメリットは美味しくいただきましょう。
今回はマクロ的要因から検討してみます。
目次
低インフレ=投資機会を待つ権利
世界がインフレに揺れています。
インフレ率がアメリカでは5%、欧州先進国でも3%を超えています。
インフレはお金の価値が下がること。
これらの国では現金を保有しているだけで資産が3~5%目減りします。
資産の目減りを防ぐためには、急いでインフレヘッジの投資が必要。
高インフレ国の投資家は、資産バブルとわかっていても投資せざるを得ないのです。
これが米国株やビットコイン等の代替資産のバブル的な上昇につながっています。
一方で日本のインフレ率はほぼゼロ。
現金保有による資産の目減りを心配する必要がありません。
急いで現金を他の資産に変える必要が無く、バブル崩壊など美味ししい投資機会を待つことができるのです。
欧米
高インフレ⇒現金は目減り⇒投資を急ぐ⇒高値掴みのリスク
日本
ゼロインフレ⇒現金の保有コストゼロ⇒投資機会を待てる
海外インフレ=円高のはずが・・・
通常、海外でインフレが進むと円高方向に振れやすくなります。
インフレはお金の価値の減少であり、為替レートが変わらないと物の価格にずれが生じてしまうからです。
下の例のように、為替レートが変わらなければドル円を交換するだけで稼げてしまいます。
しかし・・・
アメリカ=インフレ懸念、日本=ゼロインフレにもかかわらず、むしろ円安が進んでいます。
円はユーロなどドル以外の主要通貨に対しても、過去1年弱含んでいます。
金融緩和縮小開始!ただし日本は除く
これは海外で金融緩和縮小の議論が高まっているからです。
金融緩和縮小が進めば、金利が上昇。
高い金利にひかれて、米国債などが買われやすくなります。
米国債を買うには円を売ってドルを買う必要があるので、円安方向に進みます。
海外の金融緩和縮小議論が、海外のインフレ懸念による円高圧力を相殺してくれているのです。
FRBやECBがテーパリング開始の議論を始め、韓国やノルウェー等既に利上げを行っている先進国もあります。
一方、日本では緩和縮小・利上げなどどこ吹く風。
日本の金利上昇が原因となり円が買われる心配は当分はないでしょう。
まとめ
インフレは貨幣の価値を食いつぶす、資産防衛の敵です。
また、円高は海外資産の目減りを引き起こし、海外投資のリターンを押し下げます。
しかし、経済回復が遅れている日本の現状を見ると、いずれのリスクも当面は低いと考えられます。
海外の資産が急騰しても焦らず、チャンスを待ち、淡々と投資をつづける。
それができる優れた環境が日本には整っています。