【資産を分散】海外投資をする意味は?

2022年1月13日

今回は、海外資産に投資する意味を検討します。

私個人としては、米国配当投資で海外旅行の原資を作ることが主な目的です。
【いざ行かんウォール街!】配当投資で海外旅行~

しかし、特段目的が無くても、ある程度は海外資産へ投資すべきだと考えます。

理由は、私たちの資産構成が日本に頼り過ぎているからです。

以下具体的に説明します。

個人のバランスシート

Economic balance sheetという考え方があります。

これは個人の資産や負債を企業の貸借対照表であらわすものです。

資産には貯金だけでなく、将来もらえる給与や車等の動産、持ち家等すべてのものが含まれます。
負債には将来の支出に加え、住宅ローンや奨学金などの借金が含まれます。

そして資産から負債を差し引いた純資産が自由に使える余剰資産です。

日本企業に勤め、株式投資を行っていない人なら、下図のようになります。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-3.png

日本の企業に勤めている場合、生涯所得はその業績次第となり、長期で日本企業に投資しているのと同じです。
貯金には日本の金利を基準としたの利息が付くため、これも日本に投資していることになります。
動産の価値も日本の物価次第。

つまり、普通に暮らしていると、意図せず日本に集中投資していることになります。

日本経済が絶好調であれば、集中投資もよいでしょう。
しかし、そこまでバラ色には思えません

例えば低成長・低金利が続き、円安方向となると、輸入物価が上昇。
物価上昇により支出(負債)増加が所得(資産)の伸びを上回り、資産が目減りします。

海外資産を保有していれば、円安により円換算での海外資産の価値が増加。
資産の目減りを和らげてくれます。

海外資産を保有することで、資産の分散化を図り、日本への集中リスクを軽減できるのです。

海外投資への心理的壁-home bias

いざ投資をするにしても、心理的障壁から国内資産へ偏る傾向があります。
「国内資産の方が安心感がある」「海外のことはよくわからない」という心理(home bias)が働くからです。

しかし、国内資産の方が安全とは一概には言えません。
結局は資産のクオリティ次第です。

また、海外企業の方がよく知っているということもあるでしょう。

例えば、iPhoneユーザーならソニーよりもアップルのことをよく知っているはずです。

日本株に投資することで、資産クラスの分散化は可能です。
しかし、投資対象が日本株だけであれば、「日本に集中投資」という状況は変わりません。

日本株で投資に慣れたら、意識的に海外資産にも目を向けることをお勧めします。

まずは先進国資産から

一方、いきなり新興国の資産に投資するのはやめた方が良いでしょう。

新興国の資産は、国に由来するリスクが高いからです。

先進国であれば、いきなり株式市場が閉鎖され企業が国有化されたり、国債がデフォルトするといったリスクは少ないでしょう。

一方、新興国であればそれが起こります。

例えば、中国が学習塾を営利法人として経営するのを禁じたのは記憶に新しいところ。
業績が好調な企業の株でも、国の介入で紙屑になる可能性があります。
このようなリスクはいくら個別企業の業績を調べても回避できません。

新興国資産にも興味を持つのは素晴らしいことですが、後からでもよいでしょう。

まとめ

日本は豊かな先進国で、海外に比べると雇用も安定しています。
また、株式に投資するにしても、日本ほど多様な選択肢がある国は中々ありません。

結果として、日本に集中投資・依存という状況に陥りやすくなります。

これは、分散投資・リスク低減の観点からは望ましくありません。

せっかくワンクリックで海外資産にも自由に投資できるのですから、このインフラを生かしましょう。
中国では、やりたくてもこんなことはできません笑・・・

海外のどの資産に投資するかの具体的な方法については、別記事で検討したいと思います。