【波乱の秋の到来か?】下げに負けない投資術-心理編
ジェットコースターのような1週間でした。
9/20の月曜日にダウ平均は約1.8%下落。
思ったのもつかの間、水曜日・木曜日には大幅反発。
週間を0.6%のプラスで終えました。
「下がった時に買っておけば・・」と後悔している方もいらっしゃるかと。
しかし、気にすることはありません。
株価の動きはランダムで、1日に2~3%上下するのは普通の出来事。
むしろ、大きな下落が無い今年の市場が異常なのです。
しかし、人は環境に順応するもの。
「下がれば上がる」という株価の変動に慣れてしまい、下落すれば買いが入り、すぐに元の水準を回復します。
「出遅れたくない」という心理がこれに拍車をかけます。
今一番やってはいけないことは、2~3%株価が下がった時に、「チャンス!」と思って一気に買うことかと。
以下、心理の面から、今注意すべきことを見ていきます。
目次
未来は過去の繰り返し?ー代表性バイアスの恐怖
以下の図は、コロナショック以降のS&P500指数のチャートです。
まさに「下がれば上がる」を体現しています。
そして投資家が「上昇トレンド」「下がれば上がる」の環境に慣れてしまっていると感じます。
人は、判断の基準として過去を参照します。
特に、記憶が残る直近の過去を、未来予測の手がかりとして使用します。
これが「代表性バイアス」の原因となります。
「下がれば上がる」という経験が続き、将来も同じようになると勘違いしてしまうのです。
しかし、市場を取り巻く環境は日々変化しており、未来は過去の繰り返しではありません。
「下がれば上がる」と安易に期待するのは、単なる願望に過ぎません。
株価がちょっと下がっただけで、「今がチャンス」と多めに投資するのは賢明ではありません。
後悔先に立たずー後悔回避バイアス
コロナショック後の株価回復局面では、インデックスファンドやGAFAM等の人気銘柄に投資すれば簡単に稼ぐことができました。
一方で、判断が慎重なあまり、コロナ後の回復相場に乗れなかった投資家も多く存在します。
私もその一人です。
そこで乗り遅れた投資家に「嫉妬」や「後悔」が生じます。
そして「次こそはチャンスを逃すまい」という心理が強く働きます。
これが後悔回避バイアスです。
結果として、わずかな下落を「挽回のチャンス!」と思い、積極的に投資を行ってしまうのです。
さらに悪いことに、過去に周囲の投資家が儲けた銘柄、スター銘柄を買ってしまいがちです。
これらの銘柄は、既に素晴らしいリターンを達成しており、さらなる上昇のポテンシャルよりも、下落リスクの方が大きいのは明白でしょう。
しかし、後悔回避バイアスが慎重な判断を妨げ、少しの下落に反応し、高値掴みを引き起こすのです。
あまりにリスクが多すぎる笑
今回も「下がれば上がる」が起きましたが、市場のリスクは取り除かれていません。
9/20の月曜日に大きな下落は、中国恒大集団の債務危機に投資家が恐怖したことが主因といわれていますが、この問題は現在進行形であり、むしろこれから山場を迎えます。
それ以外にもリスクがあふれています
・FRBによるテーパリング開始
・債務上限問題による米国のデフォルトリスク
・デルタ株感染による経済成長の鈍化
・サプライチェーンの目詰まりによるインフレ懸念
・中国政府の動向 などなど
投資家もこれらのリスクを意識し、ビビっています。
実際、ダウ平均が月曜日に大きく下落した後、火曜日も続落しています。
「下げれば上がる」といっても、それは砂上の楼閣の上に成り立っているもの。
大きく株価が下げた後に上がらなければ、心理が逆回転を始めます。
そして、投資家が一気に弱気になる材料に満ち溢れているのが現在の状況です。
まとめ
米国の株式市場は2021年に入っても力強く上昇しており、何かのきっかけで利益確定売りに押されるのは当たり前です。
しかし、たった数%の下落では人気株やインデックスファンドの「押し目買いチャンス」とは言えません。
少しの下落に反応し、大胆な行動をとるのは避けるべきです。
こういう時こそ、銘柄選択がより重要になります。
具体的な投資方法は、次の記事で紹介します。