【含み益と上手に付き合う】配当株の売り時は?

2022年1月13日

配当株投資の基本はバイ・アンド・ホールドです。
なぜなら株を売ってしまうと、もらえる配当が減ってしまうからです。

しかし、値動きが地味な安定高配当株でも、時に急上昇することがあります。

私のような臆病な性格の場合、含み益が出ると不安になり、「利益を確定したい!」という衝動にかられます。

そんな時どうすればいいか。

一定のルールを決めて利益を確定すればよいと思います。

以下、含み益を抱えた高配当株の処理について、私の考えを書いていきます。

含み益は気持ち悪い?

人の心理は損失だけでなく、利益の扱いも苦手です。

以下の図は、利益に対して満足度がどの程度変化するかを示したものです。(数字は適当なので悪しからず)

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-7-1024x609.png

満足度は最初の株価上昇に反応して急激に上昇します。(100円⇒130円)

人は何よりも損失を恐れるため、利益が出た場合は「すぐ確定したい」という心理が働きます。
よって株価上昇に対する満足度はすぐにカンストしてしまいます。

加えて、上の図の場合、ひとたび株価が130円に上昇すると、私たちが基準とする株価が100円から130円へと移動します。

このため、株価が120円になった場合は、「まだ20円儲かっている」ではなく「10円損した」という心理になります。

そして「もっと下がる前に利益を確定したい」という心理がさらに強くなります。

これが含み益に気持ち悪さを感じる原因です。

数年かけたゆっくりとした上昇であれば、こうした心理も起こりにくいのですが、株価が短期間で一気に上昇すると、居心地の悪さを感じるようになります。

投資を続けるのに安定した心理状態は必須ですので、居心地の悪さを取り除く必要があります。

そう、売ってしまうのです。

5年を超えるリターンを先食いしたら売り

私は、高配当の安定株の代表格、生活必需品やヘルスケア(大手製薬会社)銘柄を多めに保有しています。
ポートフォリオの約40%がそれらのセクターで構成されています。

配当利回りは3%~4.5%ほどです。
多くは成熟企業であり、急激な成長は期待していません。

加えて、今後市場が全体的に低迷すると考えており、配当利回り(3%~4%程度)プラス2~3%を年平均で稼げれば御の字というスタンスで投資しています。

この場合、年間の平均リターンは5~7%。
もし1年で30%も上昇すれば、約5年分のリターンを先食いしている計算になります。

私の場合、予想リターンの5年分を達成してしまった場合、「過熱」と判断し、売りを考えます。

実例で言えばファイザー。

平均36.7ドルで買っています。
配当利回りが4.1%ほどだったので、過去の成長も含め、年率6~7%のリターンを期待していました。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 2021-09-23_17h28_12.png

それが、7月ごろからファイザーの株が急騰し始めます。

新型ワクチンの開発に成功した頃ならつゆ知らず、ワクチンなどとっくの昔に完成しており、急騰に気持ち悪さを感じました。

そこで、期待リターンの約5年分、1株50ドル(50ドル÷36.7ドルで36%のリターン)で指値売り注文。
注文通りに50ドルで売ることができました。
気持ち悪さが解消し、そこそこの満足も得ることができました。

税金はかかりますが、それなりの利益と満足を得たことに変わりはありません。
何より気持ち悪さを取り除き、心理的な安寧を得られたことが大きいと感じます。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 2021-09-23_17h29_30-1-1024x492.png

売った後どうする?

配当株投資で重要なのは保有する株数を増やすこと。

貰える配当額は、株式保有数×一株当たり配当となるからです。
よって、儲けた分は、配当が増えるように別の株を買います。

利益の分だけ、単価が高く、一株当たりの配当も高い銘柄に手が出せます。
また、原資が大きくなるので、貰える配当額を減らさずに、少し配当利回りの低い銘柄にスイッチをすることもできます。

このように、利益が出た分を再投資に回すことで、徐々にポートフォリオを分散化(保有する銘柄の種類を増やすこと)できます。

私の場合、ファイザーの儲けと少しの自己資金でアムジェン(バイオ医薬品大手)にスイッチしました。

アムジェンは単価が高く見送っていたのですが、利益を含めて手が届くようになりました。

ファイザーも、年率6%程度のリターンが期待できるレベルまで下がれば、また買おうかと思います。

売り/買い1株当たり配当総配当額
ファイザー1,492ドルで売り1.56ドル46.8ドル
アムジェン1,492ドル÷220ドル≒7株買い7.04ドル49.28ドル

アムジェン
2020年12月期の売上高は約254億ドル(約2.8兆円)で世界第12位。
リウマチ薬等に強みを持ち、過去10年に渡り約30~40%の高い営業利益率を誇る。
2020年8月にダウ平均30銘柄に選定される。
株 価 :213.64ドル(2021年9月22日現在)
一株配当:7.04ドル(配当利回り3.26%)

まとめ

配当株投資の基本がバイ・アンド・ホールドということに変わりはありません。

しかし、まぐれで急騰した際の備えも必要です。

特に私のような臆病な性格の場合、損失だけでなく含み益にもビビってしまうので笑

そして、売ると決めたときには税金のことは考えない方がよいでしょう。
30%もリターンが出れば、税金を支払っても確実にプラスになります。

たまには利益の一部を自分へのご褒美に使うのもよいかと思います。(全部ではなく一部!)
私の場合は、少し良いお酒を買って祝います。

勝利にほんの少しだけ酔いしれ、次の投資に備えましょう。