【高く買って安く売る?】逃れられない人の性
先週も日本の市場が好調でしたね。
ビビりな私は高値掴みが怖くてとても手が出せませんでした。
株で利益を出すには①配当を受け取る②安く買って高く売るの2パターンがあります。
しかし、人間の心理は中々②を許してくれません。
頭ではわかっていても、安く買う・高く売るというのは非常に難しいこと。
むしろ我々はその逆、高く買って安く売るという過ちを犯してしまうのです。
例えばバブル崩壊前の日本株もそうでしょう。
「高過ぎる」とわかっていても手を出してしまい、結果として損失を被ってしまうのです。
本稿では、なぜ高く買って安く売ってしまうのか、私の失敗例を交えてみてきます。
買ったのはマイクロソフト。
まだ高値掴みなど気にせず、気になったものをそのまま買っていた時期です。
以下、順に考察していきます。
目次
高く買う~スーパースターの誘惑~
マイクロソフトはコロナショックからいち早く抜け出した銘柄の一つ。
私が買う直前まで上昇を続けていました。
しかし、コロナにも負けないような優良企業がそんなに安く買えるはずもなく。
安く買えないということは、高値掴みのリスクが高いことの裏返しです。
スーパースターは高くつくものなのです。
にも関わらず、スーパースターに関するポジティブな情報は、我々を買いに向かわせます。
私も過去のパフォーマンスに目を奪われ「しばらくは上昇するだろう」という勝手な期待で株を購入。
株価は約227ドルでした。
しかし購入後に株価200ドル前後まで急落。
しばらく辛い時期を過ごすことに・・・
【図1:マイクロソフト株価(2020年2月~11月)】
安く売る~損失回避願望~
私に救いの手が向けられました。
再びマイクロソフトの株価が上向き始めたのです。
私は「今売らないとまた下がる!」という意識に捉われ、速攻で売りました。
ここでもう少し様子を見るという選択肢もあったはずですが、それはできませんでした。
なぜなら人は利益による幸福よりも損失による不幸を強く感じるからです。
1ドルの損失は1ドルの利益よりも強く心に作用し、とにかく「損失を避けたい」という心理が強く働くのです。
こうして買値を少し超えたらすぐにでも売りたいというインセンティブが働きます。
これが「安く売る」の正体です。
結果として2月に240ドルで売ることができましたが、手数料などを差し引くと利益は雀の涙。
それでも「損失を回避できた」という安堵の方が大きかったと記憶しています。
【図2:マイクロソフト株価(2020年9月~3月)】
マイクロソフトその後
その後マイクロソフトの株価は再度上昇。
一時的な下落はあっても、私の売値を一度も下回っていません。
もう少し様子を見る勇気があればもっと利益を伸ばすことができたのですが、損失を恐れる私の心理がそれを許さなかったのです。
さすがにもう買おうとは思いませんが・・・
【図3:マイクロソフト株価(2020年9月~3月)】
まとめ
本来220ドルが妥当と評価し長期保有前提で買ったのなら、220ドルより下がった際には「買い増し」できないとおかしいはずです。
また、短期売買のつもりで購入したのであれば、もっと早い段階で損切すべきです。
この時の私はどっちつかずで、株価がもとの水準に戻るのを祈る気持ちで見ているだけでした。
このような心理状態でまともな判断ができるはずがありません。
周囲の反応やポジティブなニュースにつられて安易にスーパースターに手を出さないことが、「高く買って安く売る」ことを回避ためには必要です。