【債券投資の現在地】米国債は一考の価値
半年前ほど、債券投資の復活について書きました(参考記事)。
私も2022年10月から年末にかけて米国債ETFを購入。
半年のパフォーマンスは約3%の価格上昇と2.5%の配当利回りです。
国債の役割は不況リスクのヘッジなので、十分すぎるぐらいのリターンです。
以下、現時点での債券投資の状況を確認します。
目次
国債ETFの利回り
国債ETF(VGSH・VGIT・VGLT)の配当利回りの変化です。
短期国債へ投資するVGSHの利回りが急上昇しています。
VGSHは満期まで1~3年の国債に投資しており、1年未満になったものについては売却・再投資されます。
つい一年半前までは金利がほぼゼロだったので、満期・再投資するたびに配当利回りは上がります。
一方、長期国債へ投資するVGLTの配当利回りは変化していません。
これは短期金利に比べ長期金利の上昇が鈍いためです。
短期金利はFedが設定する金利に合わせて変動します。
一方、長期金利は将来的な経済の見通しにも依拠します。
10年スパンで見て金利が上がらない・経済が停滞する(利下げが起こる)時期が来ると予測する場合、
長期国債への需要が高まり金利の上昇を抑えます。
Fedが利上げを停止していないのにVGLTの配当利回りが上昇していないのは、
このような国債市場のネガティブな見方を反映しています。
社債ETFの配当利回り
社債ETF(VCSH・VCIT・VCLT)利回りを国債ETFの利回りとの差(スプレッド)で見てみます。
社債ETFの利回りは国債ETFと比べて上がっていません。
社債価格の変動要因として、金利よりも企業の信用リスクの影響が大きいためです。
長期社債に投資するVCLTはむしろ利回りが下がってます。
長期債のスプレッドは+174bpsから+147bpsへ低下。
金利上昇・経済低迷は企業にマイナスで、通常スプレッドは上昇します。
国債市場と比べて社債市場は楽観的なようです。
結論~投資するなら国債ETF
Fedの利上げも終盤に差し掛かり、昨年のような金利急騰・国債暴落は起こりそうにありません。
ゼロ金利に戻るとは思えませんが、長期で見ると利上げよりも利下げの余地が大きい状況です。
引き続き、国債ETFに投資するのはいい地合いかと思います。
一方社債。
スプレッドを見るに、ポジティブに傾きすぎかと。
社債は国債のような安心感も株式のようなアップサイドも無く、元より中途半端な存在です。
長期社債で利回り4%程度なら、同程度の配当利回りの株に投資した方が良いと思います。
株式以外の分散投資を考えるなら、現時点では下方リスクの少ない国債が無難でしょう。