バフェットも聞いて呆れる
ウォーレン・バフェットが日本に来ました。
約1,500億円の日本円を調達し商社株を買い増し。
以来、「バフェットが次に何を買う?」といった情報で溢れています。
しかし、「~が買うから」と銘柄選択するのは、バフェットのバリュー投資から最も離れた所にあります。
以下、この危険な風潮について考えてみたいと思います。
目次
心理的バイアス
バフェットが次に買う銘柄を探そうとする時点で心理的バイアスにはまってます。
ケインズの言う「美人コンテスト」です。
美人コンテストで、自分が美人と思う候補ではなく、支持が高い(勝ちそう)な候補に投票すること。
要は勝ち馬に乗ろうとする心理です。
投資でいえば、バフェットが買いそう=すぐに上がりそうな株を買うこと。
バフェットが買いそうなバリュー株に関する情報がたくさんあります。
しかし、バフェットがどの株を買うかなんてわかりませんし、買うかどうかすらわかりません。
日本株は割安でバフェット銘柄の宝庫などという論もありますが過大評価もいいところ。
本当によりどりみどりなら、もっと早く買ってるでしょう。
バフェットへの誤解
バフェットの投資スタイルにも誤解があります。
彼が選んだ銘柄は長期で保有すれば高いリターンを得るという誤解です。
長期投資と生存者バイアス
バフェット関連の情報で紹介される銘柄はいつも同じ。
コカ・コーラの話なんて聞き飽きるレベルです。
なぜか。
長年のポートフォリオ入替の結果として一部の勝ち組が残っただけだからです。
そこにばかりスポットライトが当たるのは典型的な生存者バイアスです。
長期投資の結果として残ったコカ・コーラやアメックスのリターンが高いのは当たり前。
投資対象となったものの、ポートフォリオから落第した銘柄が無数にあることには注意が必要。
敗者を無視し、たまたま残った勝者がサクセスストーリーのすべてのように語られるのは危険です。
早い見切り
バフェットは見切りも早いです。
過去3年だけでも、TSMC・ベライゾン・メルクといった銘柄を投資してから数か月で売却してます。
仮に日本株が投資対象になっても、すぐ売られる可能性は十分にあります。
「バフェットに売られた」と情報が出回れば、ブームに乗っかった株価は急反転するでしょう。
日本の商社株も10年後に彼のポートフォリオに入ってる保証はありません。
また、バフェットの見切りが正しいとも限りません。
実際メルクなどは、バフェットが手放してから10%を超えて上昇してます
結論
割安成長株を買うというバフェットの理念は参考になる所も多いです。
しかし、バフェットブームに安易に乗るのは危険。
「なんちゃってバフェット銘柄」に関する情報が多いのは不気味です。
本当に買われるかどうかもわからないのに・・・