【債券投資の出番か】米国債と米国社債
リーマンショック後から続くゼロ金利の世界が終わりました。
金利ゼロの世界で高値に張り付いていた債券は暴落。
しかし、そのおかげでようやく債券が投資の選択肢となってきました。
今回は米国債及び米国社債について検討したいと思います。
目次
ETFで債券投資
債券投資の王道は国債と社債のETF。
両社をミックスした総合型もあります。
上表はバンガードが提供しているETFのティッカー及び利回りです。
いずれも経費率0.05%前後という格安の手数料で投資できます。
Fedが利上げを繰り返し、債券価格が下落。
1年前は雀の涙だった利回りが復活しています。
また、超長期債ETF以外は毎月分配金があるのも特徴です。
短期VS長期
上図は過去10年の国債ETFの価格変動の比較です。
変動の大きさが短期<中期<長期となっているのが一目瞭然。
利上げが始まった過去1年の下落率は・・・
短期:-4.93%
中期:-11.77%
長期:-26.58%
理由は簡単。
短期債はすぐに満期が来ます。
金利が上がってもがすぐに満期が来て、高金利の短期債に再投資できます。
実際、短期国債ETFはコロナ下の最高値から5%程度しか下落していません。
長期債はそうはいきません。
例えば利子率2%の10年国債を保有している場合。
金利が2%から4%上昇したら、4%の金利が貰えるところ10年間2%の利子で我慢しなければなりません。
誰も我慢しないので、国債が売られ、利子+キャピタルゲインが4%になるまで価格が下がります。
逆に金利が2%から1%に下落したら、2%の利子が貰える国債にはプレミアムが付きます。
利子+キャピタルロスが1%になるまで買われ、価格が上がります。
今まさにFedの利上げ真っ最中。
利上げがそろそろ打ち止めだと思えば長期、まだ上がると思えば短期国債ETFで様子見が吉です。
国債VS社債
配当(利子)が欲しいなら社債>国債です。
しかし、社債は企業が発行しているため、借金が返せなければ紙屑になります。
国債の場合、紙屑となるリスクはほぼありません。
この差が、両者の利回り格差(スプレッド)として現れます。
また、期間が長期になるほど借金を返せないリスクは高まります。
よって長期債のスプレッド(1.74%)は短期債(1.1%)よりも大きくなります。
長期のものほど価格が金利に左右されるのは社債も同じ。
一方、スプレッドがある分、金利変動による価格への影響度の大きさは国債>社債となります。
まとめ~金利の上下に注目するなら国債ETF
国債ETFの価格変動要因はなんといっても金利。
金利がピークに達すれば、ETF価格も底を打ちます。
一方、社債は企業の信用度という変数が加わります。
金利がピークに達しても、景気不安によりスプレッドが拡大すれば、さらに下落するリスクがあります。
国債でも利回りが得られるようになってきており、分散の観点からまずは国債から始めてみたいと思います。