【米国決算】シティグループ~数字は冴えないが・・・

金曜日メガバンクの一角、シティグループとウェルズファーゴが決算を発表。
想像通りの大幅減益。

しかし株価はそれぞれ13%、6%上昇。
決算発表で前日大きく下げたJPモルガンも5%高となるなど、金融セクターは全面高に。

変動が大きすぎてついていけません。

上昇著しかったシティを見てみたいと思います。

シティグループ

決算概要

一株利益は昨年の数値を下回りましたが、市場のコンセンサスを大きく上回りました。

減益の要因は、JPモルガンと同じ貸倒引当金です。

銀行の利益は引当金の増減、つまり銀行の経済見通しに大きく左右されます。

本業は好調だったようで、法人向け業務が20%の増収となり、全体の売り上げを押し上げました。

株価変動の要因

ポジティブなニュースばかりではなく、シティも自社株買いの停止を発表しました。
増配を見送ってる点もJPモルガンと同じです。(【米国決算】JPモルガン~予想通りに冴えないが・・・

しかし、シティの株価は13%も上昇。

理由はシティに対する期待があまりにも低かったからだと思います。

一株利益がコンセンサスを30%も上回るなんてそうありません。
アナリストの目が節穴だっただけの可能性もありますが。

PERや配当利回りだけで見ると、メガバンクの中で明らかに割安なシティ。

不人気による低バリュエーションに、いい意味で期待外れの決算が重なり、急上昇したのだと思います。

希望的観測:配当重視の味方

昨日の13%上昇を受けても、配当利回りは約4.1%。
過去と比べて高水準です。

シティグループ配当利回り推移

リーマンショックのダメージが大きく、本格的に配当を再開したのは2014年。
その後一気に増配した後、コロナ後はほぼ横ばいです。

増配はあまり期待できませんが、銀行株で利回り重視なら検討の価値ありです。
私も先月ポートフォリオに加えました↓

注意点:やらかし癖あり

今回の決算やバリュエーションからもわかるように、シティへの期待は高くありません。
基本「やらかし癖」のあるダメな子だからです。

単位:100万ドル

上記はJPモルガンとシティの純利益の比較です。

JPモルガンが安定して利益を維持・向上しているのに対し、
シティは度々大きな減損を出すなど、利益がジグザグです。

日本で言えば「JPモルガンが三菱UFJ、シティはみずほ」といったところでしょうか。

企業文化はすぐには変わらないもの。
大化けするコールオプション的な要素もありつつ、変動の大きさも許容する必要があるでしょう。