【軟調ペイパル】そろそろ買ってみたい気も・・

米国株の下落が止まりません。

インフレ率の高止まりによるFedの利上げ観測に加え、ウクライナ危機。
国家間の緊張がサプライチェーンの混乱を招き、インフレが収まらない悪循環。

特にハイテク・高PER中心のナスダックは下げがひどく、11月の高値から15%以上下落。
完全に調整ムードです。

一方株価が下がってきたので、キャッシュ創出力の高い銘柄は試しに買いたい気もします。

今気になるペイパルを見てみます。

ペイパル株価推移

以下の図は、ペイパルの2020年1月から2022年2月の株価推移です。

ステイホーム銘柄として我が世の春を謳歌し、一時はPER100倍近くまで買われました。

しかし金利上昇懸念に加え、先日発表された決算は一株利益がほぼ横ばい。
成長期待が剥がれ落ち、下落が加速。

コロナ後の上昇をほぼ吐き出しました。

バリュエーションは?

下落したとはいえ、PERは30倍台の前半と低くありません。
しかし、キャッシュフローから見ると、買えるレベルになってきたかと。

以下キャッシュフローからペイパルの価値を算定してみます。
①2022年度の売上予想=290億ドル(約3兆円)
②2013年以降の平均フリーキャッシュフロー利回り=21.7%
③株式総数=11.86億株
※フリーキャッシュフロー利回り=フリーキャッシュフロー÷売上高

この数値から来期の一株当たりのフリーキャッシュフローを算出すると・・・
①×②÷③=5.306ドル

あとは、一株当たりフリーキャッシュフローの何倍まで株価が買われるか(株価FCF倍率)。
2021年度は41.17倍でしたので、この半分20.58倍まで買われるとすると・・・

5.306ドル×20.58=109.19ドルとなり、現在の114ドルに近いものとなっています。

株価FCF倍率20倍というのは、生活必需品銘柄などともあり得る数字。
だいぶまともな価格になってきたと感じます。

成長期待を少し取り戻して25倍まで買われるとすると
5.306ドル×25=132.65ドルとなり、15%程度の上昇余地があります。

リスクは?

計算は所詮机上の空論。当然リスクはあります

フリーキャッシュフロー利回りの低下

ペイメント業界は競争過多。
20%超という高いフリーキャッシュフロー利回りを維持できない可能性も。

競争のための資本支出やインフレはキャッシュフローを押し下げます。

売上の低下

ペイパルが主力とする米国ではインフレ率が7%にも達しています。
高インフレは消費にとって明らかにネガティブ。

米国人が買い物を控えれば、ペイパルの売上減に直結します。
キャッシュフロー利回りを維持できても、売上が減れば一株当たりのキャッシュフローは低下します。

投資家の判断

実際の企業の価値と投資家の判断は異なります。
いくらキャッシュフローで見て割安でも、多くの投資家が見るのはPERです。

PERで見るとペイパルは割安とは言えず、さらに下落するリスクは十分にあります。

投資するには?

ペイパルは赤字を垂れ流す新興企業とは異なり、既に優れたプラットフォームを持つ優良企業です。
企業の成熟とともに、キャッシュマシーンとして株主還元を高めてくれることを期待します。

しかし、リスクを減らすにはバフェットも言う「安全域」を見て投資するのが良いかと。
上記の通り、私が計算するペイパルの現在価値は109~130ドルの範囲。

アップサイドありと思いますが、今の値段で買うのは少々楽天的かと思います。

今はダウンサイドを重視し、100ドルを切ったら投資を考えたいと思います。