【高いよ生活必需品】配当投資の受難

1月の市場は世界的に冴えませんでした。
January Effect(一月は株価が上昇しやすいというアノマリー)は働かなかったようです。

1か月でS&P500が約7%、ナスダックが13%下げました。日経平均も約8%下げています。

やっと買いのチャンスかと思っていましたが、期待したほどの買い場はまだ来ていません。
理由は
①配当投資の味方たる生活必需品銘柄が高い
②下げたのはハイテク銘柄が多く、10%程度の下げではまだまだ高い

本稿では①について見ていきたいと思います。

生活必需品が高い

年末あたりから何か違和感がありました。
市場全体が冴えないなか、なぜか私のポートフォリオの調子がよかったのです。
理由は生活必需品。

以下の図はS&P500と私が保有する生活必需品銘柄の11月以降の値動きです。

BTI=ブリティッシュ・アメリカン・タバコ

S&P500が11月初から1月末の3か月で約4%下げた一方、生活必需品は大幅に上昇。
BTI:+22.8%
アルトリア:+14.6%
ゼネラルミルズ:+11.4%

私が保有していない大手の生活必需品銘柄も似たような感じです。
例えば・・・
P&G:+12.5%
コカ・コーラ:+8.3%
JMスマッカー:+13.7%

確かにハイテクなどと比べて出遅れ感はありました。
しかし、3か月でそろって10%も上昇するのは気持ち悪いです。

価格上昇に伴い、配当利回りも大幅に低下しています。
例えば、高配当・連続増配で人気のP&Gの配当利回りは2.18%まで低下しています。

2010年代初頭のマイクロソフトの配当利回りが概ね2%台前半だったことを考えると、
P&Gはもはや「安定の生活必需品」とは言えないレベルになってます。

上昇の理由は?

よく聞くのは
①投資家のリスク回避姿勢が強まった
②ブランド力のある生活必需品はインフレに対して値上げで対抗可

しかし、これには疑問が残ります。
生活必需品は比較的変動が少ないと言われていますが、市場が大きく下がれば普通は多少下落するもの。
そしてブランド力があれば、生活必需品でなくとも価格転嫁は可能です。


私は以下の通りだと推察します
①ハイテク中心に他の銘柄のバリュエーションが高過ぎた⇒市場全体は売り先行
②債券の利回りが低く、高配当銘柄がハイテク株等を処分したお金の置き場に⇒生活必需品がアウトパフォーム

一部銘柄を処分

短期間での急上昇に我慢できず、ゼネラルミルズを処分しました。

配当投資の要諦は保有株数を増やすこと。
当初売るつもりはなかったのですが、売却益は受取配当の6年分。

安定が売りの生活必需品銘柄で、短期でこのリターンは気持ち過ぎて我慢できませんでした。

決算等を見ても、さらに上昇するような要素も見当たらず、ひとまず現金化して様子を見ようかと。

選択肢が無くなってきた・・・

生活必需品に手が出しにくいとなると、配当重視の投資も選択肢が少なくなってきます。

生活必需品は安定性の一方で、急成長も期待できないので、配当利回り3%は欲しいところ。
多くの銘柄がこの水準を下回ってきました。

私のようなビビりにとっては、10%下げた程度ではハイテク株のバリュエーションはまだまだ高い。
低利回りや利上げを考えると債券にも手を出しにくい。

多少効率が落ちても現金を多めにもちつつ、現在未保有のエナジーやリートなども検討してみたいと思います。