【波乱の秋への処方箋】下げに負けない投資術-実践編
前回の記事で、変動の大きい現在の相場で避けるべきことを紹介しました。
【波乱の秋の到来か?】下げに負けない投資術-心理編
今回は具体的な投資方法について紹介したいと思います。
ルールは簡単で、以下2点。
・決まったペースで投資を続ける
・大きく上昇してない安定配当銘柄を買う
順に見ていきます。
目次
底値で買えるという幻想を捨てる
株価が下がると、恐怖と同時に「もっと下がって安く買えるのでは?」という期待が生まれてきます。
しかし、株価がどこまで下がるかは誰にもわかりません。
慎重な投資家ほど待ちすぎて、いつまでたっても投資ができないという悪循環に陥ってしまいがちです。
これは機会損失を生みます。
いくら慎重さが大事といっても、投資をしなければ配当ももらえません。
待っている間に株価が上がろうもんなら、不満がたまり、最終的に我慢しきれず高値掴みなんてことにも。
底値で買おうなどと期待せず、自分が決めたルールで淡々と投資を続けるべきです。
どうしても心配なら、「1か月の資金を2~3回に分けて投資する」「資金の半分を翌月に持ち越す」といった、少しの調整で乗り切るのが賢明かと。
地味な安定配当銘柄を買う
人は損失を何よりも恐れるもの。
よって、下落局面では「早く利益を確定したい」という衝動にかられます。
そこで最初に売られるのは、「過去に儲かった銘柄」です。
特に含み益が大きい人気銘柄が売られやすくなります。
以下の図は、ダウ平均が1.8%下落した9/20日のセクターごとの下落率です。
下落幅が大きい
・経済回復に期待し、今年大きく上昇したセクター:エナジー、消費財、金融、素材
・コロナ以降上昇を続けるセクター:情報技術
これの銘柄で儲けた投資家が多く、株価が下落し始めると利益確定売りに押されやすくなるためです。
下落幅が小さい
・コロナ前と比べてあまり上昇してないセクター:生活必需品、ヘルスケア(大手製薬会社)、公益事業
これらの銘柄であまり儲かっていないため、利益確定売りの圧力は相対的に弱くなります。
一方で、生活必需品やヘルスケアの中には、利益率や配当が長期で安定している企業が多くあります。
下落局面では、これの中でコロナショック前の水準を大きく上回っていない銘柄が候補となります。
具体例をあげるとこんな感じでしょうか。
銘柄 | コロナ前株価 | 現在株価 | コロナ後変動率 | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
ユニリーバ | 59.8ドル | 54.6ドル | -8.6% | 3.67% |
メルク | 81.5ドル | 73.6ドル | -9.6% | 3.55% |
アムジェン | 216.1ドル | 213.6ドル | -1.2% | 3.27% |
S&P500(※2) | 37.9ドル | 52.2ドル | +37.7% | 1.31% |
※2 S&P500はSPDRポートフォリオS&P500ETF(SPLG)を参照値として使用
対象的に、インデックス投資として人気のS&P500指数は、コロナ前と比べても40%近く上昇しています。
多くの人が同じ対象に投資をし、含み益を抱えているため、下落時に売られやすいのは明白です。
まとめ
株価下落に備え慎重になるというのは良いことです。
しかし、投資を続けなければ得られるものは何もありません。
そして、株価が下がったとしても、どこまで下がるのかは予測不可能です。
底値掴みができるなどと期待せず、自分が決めたペースで投資を続けることが大切です。
本稿で示した買い方の例が少しでも恐怖を和らげ、投資を続けるためのヒントになれば幸いです。