アップルショックで始まる2024年
2024年の株式市場がスタート。
出だしはテック売りでした。
米国市場ではテックセクターが2.58%下落。
インデックスに大きく影響したのはアップル。
株価が3%を超えて下落し、時価総額で10兆円以上が新年早々吹き飛びました。
目次
最悪の出だし
アップルは3.58%下落。
バークレイズはアップルの評価をアンダーウェイトとし、目標株価を160ドルとしました。
これは1月2日の株価(185.64ドル)から約14%低い水準。
一方、2023年は減収・減益にもかかわらず株価は約40%上昇。
昨日の下落は一時的な調整で、2024年も好調な株価を維持できるのか。
想定株価は・・?
まずは現在の株価。
1/2終了時点で185.64ドル。
次にアップルの株式数。
2023年度末(9月末)の希薄化調整後株式数15,812百万株がスタートポイント。
アップルは昨年約3.2%の株式を自社株買いにより買い戻しています。
2024年度も同水準で自社株買いをすると、2024年度末は15,360百万株に。
売上高はポジティブに見積もって、400,000百万ドルと過程。
2023年度から約4.4%の伸びなので、無理とは言えない範囲。
キャッシュフローで見た場合
一株当たりフリーキャッシュフロー(一株FCF)×株価キャッシュフロー利回り(バリュエーション)で算出。
(一株FCF)
アップルのフリーキャッシュフロー・マージン(FCF÷売上高)は過去10年間22%~30%で安定。
2023年度は約26%なので、これを使用。
400,000百万ドル×26%÷15,360百万株=6.77ドル
(バリュエーション)
過去10年のバリュエーションは約8.8倍~27.5倍までとかなりの変動があります。
ポストコロナの平均は25倍少々で、昨年の実績ベースだと27.1倍。
成長が鈍化し金利も高いので、バリュエーションが上昇するのは考えにくく、25倍~27倍程度だと仮定。
(株価)
6.77ドル×25~27倍=169.25ドル~182.79ドル
純利益で見た場合
一株利益(EPS)×PER(株価収益率)で算出。
(一株利益)
売上高純利益率は過去10年間、概ね21%~26%で安定。
2023年度は25.3%でこれを使用。
400,00百万ドル×25.3%÷15,360百万株=6.58ドル
(PER)
過去10年の実績ベースのPERは約12倍~35倍で推移。
2023年の実績ベースでは約28倍。ポストコロナの平均もこれぐらいなので、25~28倍になると仮定。
(株価)
6.58ドル×25~28倍=164.5ドル~184.24ドル
結論
やはり割高に見えます。
売上が4%増、コロナ禍以降の高バリュエーション維持というポジティブな想定でも現在値を下回ります。
現実は、ゼロ金利が過去のものとなり、成長もストップ。
既に減収減益なのはマイクロソフトやアルファベット、エヌビディアなどと違う所。
2023年のように株価がガンガン上がっていくことはなさそう。
一方、FCFで見た場合とEPSで見た場合の想定株価がほぼ同じなのは良い所。
利益が現金と紐づいており、質の高い利益を生み出しているといえます。
FCFマージンが約25%と高く、普通にいけば10兆円をこえる現金を生み出すキャッシュマシーンです。
悲観が広がって150ドルを割ってくるようなら買っていもいいかな。