YCCの修正だけ?利上げせんの?
日銀が長期金利の許容変動幅の上限を拡大、いわゆるYCCを微修正しました。
どさくさに紛れて利上げしとけばいいのに。
利上げは将来の不況への準備でもあります。
FedやECBは市場の混乱との引き換えに”将来の利下げ”という武器を手に入れました。
物価を見誤った末の急激な利上げは褒められたものではありません。
しかし、彼らは不況が来たら4~5%金利を下げることができます。
不況に対し”利下げ”という明確なメッセージを送ることができます。
これは市場や消費者の心理に明確にポジティブ。
方や日銀。
マイナス金利を維持したままでは、不況時にできるのは国債の追加買い入れぐらい。
マイナス金利の深堀はできますが、銀行の資金運用が難しくなるだけ。
不況なので民間資金需要は弱く、銀行にお金が集まっても貸出先がありません。
そもそも短期金利が既にマイナスなので、長期金利が下がろうが民間部門への刺激効果はありません。
得をするのは政府だけ。
不況も相俟って国債増発のインセンティブが働き、無駄な箱もの事業で財政が悪化するのみ。
長期視点でいけば、YCCの上限拡大と利上げをセットで小出しにするのがベターなはず。
物価予想は1%を超えており、0.5%まで利上げしても実質金利はまだマイナス、緩和状態です。
最低でもこのあたりまでは利上げできるはず。
そもそも”成長軌道にのったら”などといっていたら、いつまでたってもゼロ金利から抜け出せません。
あれこれ理由をつけて利上げという将来への備えを行わないのは無責任です。