米国債格下げショック?
フィッチが米国債を突如格下げしました。
債務上限問題(いわゆる財政の崖)も何とか乗り越え何で今?
大手格付け機関(フィッチ、Moody’s、S&Pグローバル)の格付けは投資家への影響大。
機関投資家は格付けを参考に債券ポートフォリオを構築するからです。
格付けごとにポートフォリオの比率を決めるケースもあり、リバランスによる米国債売りにつながる可能性も。
識者の見方はいたって冷ややか。
JPモルガンのダイモンCEOは「米国債が最上位でなければ、いったいどこが最上位たるのか?」と、
米国の優位性を強調。
ウォーレンバフェットは「来週悩むのはどの年月の米国債を買うかぐらい」と微動だにせず。
「影響があっても軽微・一時的」との見方が大勢です。
キレたのはイエレン財務長官。
「一体いつのデータを見てるんだ!」と憤慨。
財務長官が一民間企業の評価に目くじらを立てるのは、格付け会社の影響力が高いことを物語っています。
格下げショックの悪しき記憶が残っているのでしょう。
年間売上数千億円程度の格付け会社が市場を揺らせる影響力を持っているのは、確かに不健全。
証券化したサブプライムローンに高格付けを付して、誤ったリスクテイクを助長したのは彼らです。
一方、格付けに一喜一憂するのは「人の評価が気になる」という人間心理の弱さの反映とも言えます。
格付け会社の儲けは当面安泰といえそうです。