「低成長」から「日本すごい」への飛躍

日経平均の勢いが止まりません。
約26,000円で2023年が始まり、半年足らずで32,000円越え。

景気のいい話ですが、どうも違和感。

日本株が低迷していたのは「低成長」という確固たる理由があります。
それが最近ニュースなどを見てると、何故か「日本株は割安・魅力的」という評価に。

東証がPBR1倍という評価基準を公表しました(PBR1倍という馬鹿げた目標)が、
これは「低成長なら現金をため込まず、株主に還元せよ」という企業への警鐘です。
日本株が割安・魅力的というメッセージではありません

しかし、日本株が上がるにつれ、このメッセージも違う意味に
(前)低成長ならせめて株主還元しろ
(今)日本企業は素晴らしいのにPBR1倍未満の割安に放置されている

この身勝手な解釈が日本の投資家の買いモチベーションにつながっているように思います。

バフェットが日本に言及したことで、承認欲求も満たされ、
溜まったルサンチマンを「日本すごい」論で一気に消化し、強気になっているのが今のフェーズでしょう。

ただ、今の株高は他の資産との比較で、割安部分が修正されただけです。
日本が急に魅力的になったわけではありません。

加えて、他国が金融引締めに走る中、日本は超金融緩和を継続しています。
株式ETFまで買ってる中央銀行は日銀だけです。

こんなドーピング状態での、相対的割安の修正による株高で大騒ぎするのは異常です。

「日本すごい」の夢から覚めてしっぺ返しを食らわなければよいのですが。