【0.75%or1%?】投資家の勝手な期待とFedの利上げ確率
先週の市場は、米国のインフレ指標にビビり散らしました。
火曜日だけでダウ平均は3%、ナスダックは5%を超えて下落。
夏場の上昇ムードは完全に消え失せ、9月20日からのFOMCへの警戒が広がっています。
実際は投資家の勝手な期待がはげ落ちただけに見えるのですが。
目次
先週何が起こったか?
9月13日の火曜日。
米国のインフレ率が市場予想を上回りました。
消費者物価指数が8.1%の市場予想に対し8.3%上昇。
インフレが鎮静化し、Fedのタカ派スタンスが弱まるという期待を打ち砕きました。
株価は火曜日以降もジリ貧です。
実際の数値は・・・
上昇したのは「市場予想」と比べてです。
実際のインフレ率は7月の8.5%上昇から鈍化しています。
市場やニュースの反応を見てると、インフレがめっちゃ加速したかと勘違いしそうです。
今後比較対象がインフレ急進後の月になるため、基本的には鈍化していくんだろうと思います。
投資家は自分勝手
夏場の株価上昇から先週の暴落。
全て投資家の勝手な期待から生じたものです。
インフレピークアウトの期待で株価が上がり始め、乗り遅れを恐れる投資家が追随。
今度は予想が裏切られ、Fedが1%の利上げを行うのではないかと狼狽。
株価が暴落しました。
一方、インフレ率は高い所である意味安定しています。
Fedのスタンスも変わっていません。
不安定なのは物価やFedではなく投資家の心理です。
Fedの利上げ確率は?
上図はシカゴ商品取引所が販売する「フェデラル金利先物」というオプションから算出される利上げ確率です。
80%のオプション取引者は0.75%の利上げを予想しています。
株式市場に比べてオプション取引者は冷静。
確かにインフレは高止まりしていますが、Fedが利上げを加速するほどとは思えません。
実際前回のFOMC時と比べてインフレが加速しているわけではありません。
(参考)
先物価格=100-満期月の実行フェデラルファンドレート
先物価格が95なら対象月の金利が5%(100-95)とオプション取引者が考えているということに。
結局は予想しても無駄
オプション市場の予想に反し、次の利上げは1%かもしれません。
ただ、正直次のFOMCで金利が何%で上がるかはどうでもいいです。
金利の上げ幅が0.75%か1%か、インフレ率が予想と0.1%違ったなどというのは誤差の範囲です。
重要なのはインフレと金融引締めが当面続きそうなこと。
勝手な期待で右往左往せず、
市場がビビり散らしたら買いのチャンスだという感じで見守りたいと思います。