【短期で成果はでない】積立て投資と平均取得単価
世界的な株価下落トレンドの中でも「積立て投資を続けよ」という声はやみません。
下落中も買い続ければ平均取得単価が下がり、回復時にリターンを得られるという考えがバックにあります。
しかし、これは積立てをすれば短期でリターンがプラスに転じると言っているのではありません。
「積立の効果はすぐには出ない」「長期間マイナスの覚悟も必要」であることを、
私の例で示したいと思います。
2021年のような高値圏で積立てを始めた場合、投資を続けても取得単価は中々下がりません。
よって短期でリターンがプラスに転じることも期待すべきではありません。
目次
平均取得単価を下げる!
私は受け取った配当を翌月初に再投資しています。
積立ての効果を試すために、同じ銘柄に投資しています。
選んだのは SPDRポートフォリオ新興国株式ETF(SPEM)。
中国・インド・台湾などの新興国の株式に幅広く投資するインデックス型のETFです。
積立開始から15か月が経ちました。
株価が下がる中でも買い続けたことに加え、受取配当の増加・株価下落による1回の購入数量増により、
平均取得価額は下がり、投資開始時を下回っています。
一方で・・・
①高値圏で積立てを開始した
②買っても買っても株価が下がり続ける
これら2つの要因により、リターン-15%と大きなマイナスです。
下がり続ける株価
上の図は積立て開始時からのSPEMのチャートです。
かなりの高値圏でスタートしていることが分かります。
株価はその後右肩下がり。
買っても買ってもさらに株価が下がる状態です。
積立ての過程で、最高値は昨年6月に株価46.18ドルで購入し、現在は34.65ドル。
下落率はなんと25%!
株価下落のスピードが、平均取得単価が下がるスピードを凌駕しています。
積立ての効果はいまだ得られず。
結論:取得単価の下げにはあまり期待しない
投資本や雑誌などを見ると、積立てによる「平均取得単価の下げ」の効果が誇張されているように感じます。
積立てをすれば、株価下落時には平均取得単価が下がっていくのは事実です。
しかし、定額投資の場合、平均取得単価が下がるスピードはとても緩やかです。
一気に平均取得単価を下げるためには、下落時に投資額を増やさねばなりません。
株価がどこまで下がるかはわからないため、これはかなりリスキー。
積立て投資をするのであれば、平均取得単価の下げと短期的での反発に期待すべきではないでしょう。
数年(時には10年以上)のスパンでの株価上昇を根気強く待つ必要がありそうです。
そして、その時が訪れないリスクも覚悟しておかないと。