【米国市場を覆うカオス】専門家はあてにならない
米国株の下落が止まりませんね。
S&P500指数は過去11週でのうち10週で下落。
特に先週は1週間で5.8%下落し、2020年来でワーストの週だったとのこと。
また、すべてのセクターが直近高値から15%以上下落しており、
ハイテクからディフェンシブまで逃げ場がない状態です。
専門家の言ってることも支離滅裂。
CNBCの記事からその一端を少し見てみたいと思います。
(参照記事はこちら)
目次
Fedには逆らうな?
これは中央銀行の市場に対する影響力の強さを表すものです。
Fed(米国の中央銀行)はインフレ退治のために利上げと資産縮小を急いでいます。
先週の0.75%の利上げは1994年以来の大幅なもので、実際市場に大きなインパクトを与えています。
バンクオブアメリカのストラテジストはこう言っています。
バンクオブアメリカのストラテジストはこう言っています。
「Fedには逆らうな。(株価を)下落したら買うのメンタリティは捨てろ」
Bank of America equity strategist Ajay Singh Kapur said in a note to clients on Friday that it is time for investors to stop fighting the Fed and give up the buy-the-dip mentality.
buy-the-dip:落ち値拾い
Fedが金融縮小を進めるている間は抗うなということです。
これが本当なら、景気減速に係るニュースは「Fedに逆らうな」の精神に対してはポジティブなはずです。
景気の減速にビビる
一方、記事では景気減速のサインをいくつも紹介しています。
・住宅着工件数や住宅ローン申請数の急激な下落
・消費者信頼感の低下
・新規失業保険申請件数の増加
賃金や不動産価格のインフレにビビってるなら、これらは(少なくとも株価には)ポジティブなサインのはず。まさにこのインフレを抑制しようとFedがタカ派に傾いているのだから。
しかし、ストラテジストはこれをネガティブなサインと一様に解釈しているようです。
「どっちやねん」という感じです。
結局何もわからないからでは?
市場が軟調な時には、どんなニュースもネガティブにとらえられます。
同調圧力といってもいいかもしれません。
一方、市場が反転すれば同じニュースでもポジティブな捉えられ方をするでしょう。
例えば・・・
・Fedが利上げを急ぐ⇒景気に対して強気な表れ
・住宅ローン申請件数の低下⇒資産バブルを防ぎ、市場が正常化する
・新規失業保険申請件数増⇒労働市場のひっぱくを解消し、インフレ鎮静化
ニュースなんて所詮は解釈次第。
そして、専門家は他者と乖離した意見の表明を嫌います。
これは、「ソーシャル・プルーフ」というバイアスによるものです。
人と違う意見を言うと、外れたときのしっぺ返しがキツイため、同調圧力に屈するというものです。
とはいえ、この同調圧力が解消されるまでは米国市場は軟調なままかもしれません。
リスク要因が多いのは本当ですし。
個人的には、専門家の意見は話半分に、「Buy the dip」の精神で買いを継続したいと思います。